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スカイ・ハイ

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一期一会

米国が加盟しないCOP10の実効性


COP10 生物多様性で新ルール設定 歴史的な会合に

病原体からワクチン、キャベツからキャベジン、腸内菌からヤクルト、マカから精力剤、
微生物から抗生物質、ヒトデやウミウシから抗がん剤、八角からタミフル.......
途上国側から植民地時代まで遡ってカネ返せ!と言ったが、そこまで遡らんでも。

神農は百草を毒味して薬草を捜し歩いたと言われるが、
現在では先進国の製薬会社やバイオ企業が、途上国から生物遺伝資源と呼ばれる微生物や動植物を
勝手に持ち帰り、自国のラボで医薬品を開発してそれを市場に回す。
生物資源はタダで手に入るが、それを新薬に完成させるには相当な年月と開発費がいる。
途上国は生物資源の宝庫であるが、そこから作られた医薬品が途上国の人達に回るのは最後である。
今回は先進国と途上国の新薬の利益分配の会議であり、カネの話である。
パイを分かち合うのは人道的であり、世界がそろって推進するのが理想であるが、
キリスト教国家である筈のアメリカは、分かち合おうという気はさらさら無いのである。
巨大な製薬会社やバイオ企業の本拠地であるアメリカはCOPに加盟していない。
2010年から2011年にかけ、世界の製薬メーカーの主力医薬品の特許(20年〜25年)が切れて、
現在出回っているジェネリック医薬品(特許満期後に発売される成分・効き目が同じである安価な
医薬品)にシェアを奪われるだろうと言われている。新薬を独占的に製造・販売できる期間で製薬
メーカーは研究開発費を回収しなければならず、余計なコストは払いたくないのが本音であり、
景気低迷のこんな御時勢に、途上国がある意味主導するCOP10に関わる必然性を持たないのだ。
京都議定書と同じであり、新薬メーカーのジェネリック市場参入やメーカー再編は更に加速する。

米国厚生省に属するFDA(Food and Drug Administration of the United States Department of
Health and Human Service=米国食品医薬品局)は約9000人の調査官、査察官で構成され、
不正医薬品の回収や輸入制限などを行うが、ブッシュ時代に業界と癒着してきたFDAも、2007年の
FDA改正とオバマの医療改革法に連動して、チャイナフリーなど食品や薬の安全性を強化するように
なり、同時に新薬の承認も厳しくなると予想される。
医療改革法に依り、アメリカの医薬品の独占販売期間が12年に短縮され、アメリカ国内においての
ジェネリック医薬品の承認プロセスが新たに構築された事で、先発メーカーと後発メーカーとの
熾烈な戦いが始まる。病人というお客様あっての製薬会社であるが、
2009年のニールセンによる「世界の非処方箋薬の使用」関する調査によると、
ヨーロッパの消費者は薬剤師のアドバイスに従う傾向が強く、日本では価格と安全性を重視する。
中国の消費者は昔ながらの伝統的治療法を好み、アメリカの消費者はより安価で利便性を求め、
スーパーやドラッグストアで購入する(アメリカの医療制度のせいでもあるが)。
安価なジェネリック薬はアメリカのみならず欧州市場でも売り上げを伸ばしていると言う。
薬は飲まないに越した事ではないが、痛みや苦しみを除去する為には必要悪である。
飽食して薬を飲み続けるという無限ループの世界と、生きる為の最低限必要なカロリーさえも
不足している世界、この2つの世界を結びつけるものは決して夢の新薬ではないだろう。
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by gyou-syun-u | 2010-10-30 21:07 | 国内情勢・世相