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一期一会

防衛装備移転三原則  失われた20年を取り戻せるか?

昨年4月1日に武器輸出三原則見直しで、「防衛装備移転三原則」に名称が変わり閣議決定されました。
従来の三原則との違いは、実質上全面輸出禁止から、一定の条件を満たせば輸出を認めるという事です
が、今迄の例外を撤廃して、輸出を認める基準と認めない基準を明確にしました。

【原則1】国連安保理決議に従わない国、国際条約を守らない国、紛争当事国には輸出できません。
【原則2】平和貢献や国際協力、日本の安全保障面で国際共同開発に役立つ場合は輸出を認めます。
【原則3】目的外使用、第三国移転については原則として事前同意を義務付けます。
     (日米共同開発の迎撃ミサイルが欧州に配備される場合など…)

と言うワケで、戦車や戦闘機、軍用艦、潜水艦などを丸ごと輸出できるようになりました。
しかし兵器市場での日本製兵器の国際価格競争力はゼロですから、そう簡単には事は運びません。
なので見直し後の初めての事案は、迎撃ミサイルPAC2の部品輸出と、F-35に搭載する予定のミサイル
の日英共同開発の認可でした。
PAC2は迎撃ミサイルで、部品とはミサイルの先端部分にあるシーカー(目標探査装置)に組み込まれる
ジャイロ(姿勢制御センサー)の事です。今迄も三菱重工がPAC2やジャイロをライセンス生産してきま
したが、レイセオンがジャイロの生産を終了したため、アメリカのカタール向けPAC2の輸出契約分を
三菱重工が請け負う事になりました。
これも影響してか、三菱重工の来年3月期決算の予想は、大型船舶事業での特別損失金1300億円を計上
しても、売り上げ、営業利益とも過去最高の見通しです。
火力発電関連、タービン、MRJの受注が好調の為です。
我が国の自衛隊は弾道ミサイル迎撃用のPAC3を導入してるので、カタール向けのPAC2は改良されてる
とはいってもパトリオットミサイルの古い型です。中東ではPAC2で十分という事なのでしょう。
2番目の日英共同開発のミサイルは、イギリスMBDA社が欧州の空軍向けに開発した空対空ミサイル
「ミーティア」をF-35搭載用に改良する際に、三菱電機のシーカー技術を試そうという事です。
三菱電機の高度なセンサー技術は、F-15JやF-2に装備されている99式空対空誘導弾、
民生品ではひまわり8号(世界最高性能の次世代観測センサ)でも証明されております。

最近ではオーストラリアが次期潜水艦導入で日本と交渉に入ってます。
そうりゅう型潜水艦丸ごと一隻輸出した方が、日本としては利益になり易いと思いますが、
オーストラリアは武器管制システムをアメリカ製にするため、多少の改造をしなければならなくて、
おまけに現地の雇用を増やすと言う条件付きならば、日本で建造した完成品をそのまま輸出というわけ
にはいきません。共同開発と言っても潜水艦作りは日本が二歩も三歩もリードしているワケで、
オーストラリアのコリンズ級潜水艦は騒音や信頼性といった基本性能に問題ありと言われ、
実質潜水艦の運用ができてない韓国海軍と似た様なもんです。オーストラリアの国防相も
「カヌー造りさえ安心して任せる事はできない」と口をすべらした。
なので、譬え技術指導してオーストラリアで建造するのは無理だろうと……
日本の潜水艦の性能はアメリカ以外ほとんど知られていないのが現状で(潜水艦の特性上、本当の実力
は知られない方が良いのですが)、オーストラリアの軍人も政治家も日本の潜水艦技術を全く知らない
ようであります。
ドイツ、フランス、日本で入札という形にはなってますが、今回の日本への打診はアメリカの助言も
大きい。南シナ海の覇権を狙う中国に対する抑止力として、外洋で活動できる4000トン級の通常型
潜水艦の配備はアメリカとしても願ったりであります。
一番大きな問題は技術移転の際の機密情報漏れですが、現在のアボット首相の前のラッド首相は、
西側で唯一中国語を話せる首相で、中国との貿易を拡大していきました。
オーストラリアの最大の貿易相手国は中国で、次が日本、三番目がアメリカです。
反日国家である中韓とまではいきませんが、オーストラリアも十分反日国家ですから、
中国への情報漏れも日本が危惧するところであります。
潜水艦事業の現地雇用が流れれば現政権も危うくなるだろうし、日本としてもそこまでオーストラリア
に譲歩してリスクを負う義理はございません。できれば、この話はお流れになって欲しい。










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by gyou-syun-u | 2015-05-11 17:02 | 世界情勢 | Trackback | Comments(0)
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