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スカイ・ハイ

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一期一会

「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」を読んで....


最近読んだ本の中で、鈴木宗男事件で逮捕された元外務省主席分析官の佐藤優著
「国家の罠」サブタイトル外務省のラスプーチンと呼ばれて.....という本が以外と
面白かった。固い内容かと思ってましたが、素直な語り口に好感を持ちました。
佐藤氏は現在控訴中の身でありますが、時々雑誌の顔出し始めましたね。
ラスプーチンというのは帝政ロシアの怪僧で、祈祷や呪術を使い次第に時の皇帝
ニコライ3世のお気に入りとなったとされてるそうですが、時の小渕総理の時代で
言えば、佐藤氏は外務省に強い影響力を持っていた鈴木宗男氏のお気に入りとなる。
田中眞紀子や辻元清美が鈴木宗男パッシングをしていた頃のお話ですね。
そして最期には外務省の反鈴木陣営、もしくは国家権力から排除される格好となった。
故に外務省のラスプーチンと呼ばれる訳でありますが、当の佐藤氏は別に呪術など
を使う訳でもなく、著書を読む限りにおいては、ごく普通の極めて真面目一本の
人物像が浮かんでくるのですが、しかしながら〃国家〃の仕事はやはり大変である。

小菅の東京拘置所で思い出したが、昔〃通りすがりのアルバイト仲間〃が窃盗で
捕まり収監され、その後小菅から一通の手紙が届いた。
「出所したら友達になって欲しい」と..........
盗みをやる人間には見えなくもなかったが、前科があったみたいである。
友達になって欲しいだと?ふざけるな!その前に言う事があんだろう!という訳で、
拒否したのは当然である。
人は誰でも過ちを犯す。過ちの度合いも、償い方も人それぞれであろう。
一生背負って逝く者もいるし、過ちを過ちと気づかずに人生を終える人もいるだろう。
花が折れただけで心を痛める人もいれば、土足で人の心を踏みにじり、のうのうと
してる人もいる。

しかし国家を相手にするという事はどのくらいの重みなんだろうか。
佐藤優氏はロシアのエキスパートであるが、学生時代に神学専攻だった事がとても
興味深い。ノンキャリアでありながら第1線級の情報に接する外交マンで、国益優先
を第一に考える姿勢は、女や馬に機密費を使ったキャリア組に見せたいものである。
背任と偽計業務妨害容疑で執行猶予中の身であるが、、出逢った政治家が悪かった
のか.....唯、この本で鈴木宗男氏に対するイメージが少し変わりました。
週刊誌や新聞報道だけでは解らなかった裏の世界が観えて、外務省私物化や、
その人格や立ち振る舞いは別にしても、北方領土問題始めロシアやイスラエル人脈
など、何故当時の外務省に影響力を持っていたのかが理解できました。
著者は鈴木氏を評価しており、田中眞紀子や辻元清美とはベクトルが違っていた。
疑惑の総合商社と言う表現は、的を得ていない訳でもないが、国家的な裏情報を知り
得る立場であった事は確かなようである。ちゃんとした情報機関が存在しない日本
では、裏情報を持つ政治家は貴重な存在である。
外務省内の派閥争いも興味深いし、今の対外交渉を見てると本当にふがいない!
担当検察官とのやり取りも、論理的手法から徐々に人情味が加味された応酬に
なり面白い。被疑者も大変だが、それを立証しなければならない検察側も大変だ。
現在収監中の堀江容疑者とだぶって、あ〜こんなやり取りをしてるんだな〜と納得。
堀江は幻想の錬金術に心を奪われたと思う、一貫して容疑を否認している様ですが、
佐藤氏は超現実を重んじ、自分の身より国家を優先した。

検察官が「国策捜査で掴まる人達は皆才能があるから、またそれを社会で役に立てる
様に執行猶予をつけるのが特捜検事の仕事だ」と述べるあたりは、検察全体の意向な
のか、それとも担当検察官の個人的想いなのか、国家の罠というタイトルと共に
考えさせられるものがありました。
我々の日常とはかけ離れた世界で、堀の中もピンキリであるとまた納得。
こんな中、鈴木宗男氏は政治家として復活。
佐藤氏もジャーナリストとして復活して頂きたいと、八方塞がりの外交の中
切に思う次第であります。
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by gyou-syun-u | 2006-03-12 19:16 | 国内情勢・世相