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一期一会

日本のミサイル防衛


沖縄の嘉手納基地に、パトリオットPAC3が配備される事になりました(24基)。
北朝鮮のミサイル問題や中東紛争の激化の中、日本の防衛システムの構築が
改めて議論されようとしています。世界の軍事費から見ると日本は約5兆円で、
アメリカ、中国、ロシアについで世界第4位であります。
戦闘の形態も、陸から海、海から空、そして空から宇宙へと移行しつつあります。
そこで主役となるのが、戦闘機より圧倒的に速いミサイルという事になるのですが、
ミサイルは正確に飛ばす事より、撃ち落とす方が遥かに難しいと言われています。
マッハ20で飛んで来るミサイルを迎撃するには、高度な技術力が必要です。
現代のロケット技術の基盤は、当時の世界最高水準だったナチスドイツのV-2ロケット
で、第2次大戦後、アメリカと旧ソ連はそれを科学者ごと盗んで、その技術は両国の
科学者に引き継がれ、更にソ連崩壊後、ミサイル技術者は世界中に散って行った。
北朝鮮のミサイル技術の基礎も旧ソ連の科学者が作ったと言われますが、その技術は
北朝鮮からイランへと流出していった。

大気圏内を水平飛行する巡航ミサイルと違って、弾道ミサイルは放物線を描き、
一度大気圏外に飛び出す。アメリカ式の迎撃ミサイルシステムを持ち得るのは
その同盟国だけで、アメリカ主導であるから、当然ソフトはブラックボックスと
なってしまう。ミサイル防衛における〃敵基地攻撃論〃や〃先制攻撃論〃は感情的なもの
ではなくあくまでも技術的な問題で、ミサイルは発射直後が最も速度が遅いから撃墜し
易いというだけの事である。
弾道ミサイルは発射されてから着弾するまで、ブーストコース(発射直後)、
ミッドコース(大気圏外を飛行中)、ターミナルコース(大気圏内に再突入して
着弾するまでの最終段階)の3段階に分かれますが、我が国は海上配備型ミッド
コース防衛システム(SMD-Sea based Mid course Defense)を基本にするらしい。
つまり、なるべく宇宙空間でミサイルを撃墜してしまいたいという考えで、
日米で共同開発するミサイルも、日本の高い技術力が不可欠であるそうだ。

我が国のミサイル防衛の概要は次のようになります。
敵国のミサイルが発射されると、レーダー網および航空自衛隊の自動警戒管制組織(BADEG-Base Air Defense Ground Environment system)、航行中のイージス
艦が、アラスカにあるアメリカのミサイル防衛司令部と連動して探知する。
それらのデータを基に、イージス艦から海対空ミサイルSM3(Standard Missile SM3)
が発射され、大気圏外で撃ち落とす。そして撃ち損じたミサイルを大気圏内で、地上
配備型の地対空誘導ミサイル、パトリオットPAC3(PATRIOT Advanced Capability3)
が迎撃するという構想である。理論上は...............

ここで問題になるのが精度(命中率)であるが、1991年の湾岸戦争の時、当時の
パトリオットシステムはイラクのスカッドミサイルを1発も撃ち落とせなかったと、
MITの教授が暴露。そして2003年のイラク戦争でも誤射を含め、命中率は低かったと
言う話があります。勿論、これから実践配備されるPAC3は、湾岸戦争やイラク戦争で
使用された旧型の改良3型であります。2005年、国防総省の地上配備型の迎撃ミサイル
(日本が導入するシステムとは違うらしいが)実験は失敗に終わりましたが、
このパトリオットが最終段階における最後の鉄砲玉である事は現実であります。
PAC3は1発5億円、イージス艦のSM3は1発20億円。
下手な鉄砲数撃ちゃ当たる.....と言うワケにはいかないのだ。
アメリカは最新兵器のレーザービームも含めた、弾道ミサイル3段階全てを迎撃する
ミサイル防衛網を2015年までに完成させようとしていますが、同じく中国ロシアも
迎撃ミサイルの開発を続けています。いずれにせよ2段階迎撃方式の日本は、MDに
連動したレーダー網の整備と、ミサイルの性能を飛躍的に高める事が急務であると
思われます。
もし日本人がカメハメ波の使い手だったら、別に軍備など必要ないでしょう。
超能力者が何人か居て、飛んで来るミサイルを〃念力〃で撃ち落とせるなら話は別だ!
しかし、そんな奴はいないのだから、防衛の為の〃楯〃になるモノは必要であります。
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by gyou-syun-u | 2006-07-21 19:43 | 世界情勢