ブログトップ

スカイ・ハイ

harock.exblog.jp

一期一会

ミュンヘン


映画館でゆっくりスクリーンを眺める時間が取れず、ついレンタルになってしまう。
1972年旧西ドイツで行われたミュンヘン・オリンピックでイスラエル選手団11人の
内2名が殺害され9名が人質となったが、空軍基地での銃撃戦で全員死亡した。
(9名の死亡については、旧西ドイツの狙撃失敗によるものであったと後年判明した)。
襲撃したのは当時のPLOのテロ部隊である黒い9月(ブラック・セプテンバー)。
イスラエルは報復措置としてゲリラの拠点を空爆、そして時の首相ゴルダ・メイアの
指令の許、モサドによる暗殺チームを結成する。イスラエルとパレスチナの報復合戦
はその後も続き、7年後の1979年に、黒い9月の創設者アリ・ハッサン・サラメを爆殺
してこの作戦は終了したとされる。
結果として黒い9月のメンバー11人の内、9人を処理した。
チームリーダーに選ばれたのは、工作員の経験が無いが血筋の良いモサドの若者だった。
仲間は4人。チーム全員民間人は絶対巻き込むなという指令の下に行動するが、
次第に殺しにもなれ、深みに嵌まって行き悪夢にうなされる。
暴力には暴力を....自分の行動に苦悩する。
映画の中では「イスラエルは民間人を何人も殺している!パレスチナ人の血が何年も
流され続けている.......」というパレスチナ側のセリフと、「俺たちはユダヤ人だ。
高潔であらねば。それがユダヤのすばらしさだ。そう教えられた」というユダヤ側の
セリフを挿入している。
監督のスピルバーグはイントロダクションの中で〃何故イスラエルは暴力に暴力という
手段を取ったのかを理解するには共感が必要だ。本作で報復作戦を非難するつもりは
ない。彼等に共感できればイスラエルを理解出来る〃と述べ、ユダヤ人らしく、
イスラエル寄りの姿勢を保っている。

最後、暗殺チームリーダーがモサド幹部に詰め寄り吐き捨てる。
「殺して何になる?より凶悪な後継者が現れる」
モサド幹部はこう言い切る「爪は切ってもまた伸びる」
リーダー「殺したのはテロの首謀者か?パレスチナの指導者か?教えてくれ!」

ミュンヘン事件の4ヶ月前には、岡本公三ら日本赤軍によるテルアビブのロッド空港
(現ベングリオン空港)乱射事件が起こり、イスラエル側に多数の犠牲者が出た。
イスラエルはその報復として、日本赤軍の言葉で言う〃リッダ闘争の知性〃である
PFLP(パレスチナ解放人民戦線)の「ガッサン・カナファーニ」氏を爆殺した。
ミュンヘン事件はその報復であるとされ、報復合戦は30年経った今も止む気配は無い。
テロリスト側にも物語があり、迎え撃つイスラエルにも物語がある。
ホロコーストでジェノサイドの憂き目を経験したユダヤ人は善悪より生存を選ぶ。
[PR]
by gyou-syun-u | 2006-08-19 22:18 | 映画 | Trackback(1) | Comments(0)
トラックバックURL : http://harock.exblog.jp/tb/3606281
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Tracked from DVDジャンル別リアルタ.. at 2007-12-24 07:48
タイトル : テロリスト・黒い9月 ミュンヘン
1972年のミュンヘン・オリンピックを襲ったテロリストとミュンヘン警察当局の、緊張の21時間を描いたサスペンス・アクション・ドラマ。ウィリアム・ホールデン、フランコ・ネロほか出演。... more