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一期一会

ベナジル・ブット暗殺


パキスタン人民党(PPP)党首ベナジル・ブット元首相が暗殺され、犯人も自爆した。
パキスタン政府は、死因は銃撃によるものでは無く、爆風によるものだと発表した。
政情不安の続くパキスタンは、インドと並び核兵器を保有する国であります。
ブット元首相は今年、米外交問題評議会(CFR)のミーティングで以下の様に
述べている。

「私は、パキスタンに民主主義を復活させるための運動を主導するために、2007年
 中にパキスタンに帰国し、軍事独裁政権が強いる制約や制限を撤廃し、国際テロ
 集団の温床とされている聖域の存在しない民主的なパキスタンの実現に向けて努力
 していくつもりだ。パキスタンの軍事独裁政権のもと、政党の役割は矮小化され、
 NGOは解体され、裁判官は解任され、市民社会が骨抜きにされている......
 ムシャラフ政権は、結社の自由も認めていないし、穏健派の政治勢力には言論の
 自由さえ認めていない。その結果、モスクとマドラサ(イスラム学校)だけが、
 この国で政治的意見を表明できる空間となってしまった。こうしてイスラム主義
 政党と過激派集団が台頭した。我々はパキスタンを内部から救わなければならない。
 内側からパキスタンを救う事ができれば、南アジア地域に大きなプラスのインパクト
 を与える事ができる」

パキスタン軍はイスラム過激派を長い間擁護してきた。しかしながら9,11以降の
アメリカの対テロ戦争にムシャラフ政権は参加した。アメリカからの軍事経済援助が
欲しかったからであり、アメリカからすれば毒は毒をもって制したかった。
パキスタンとアメリカの情報部の協力で多くのアルカイダ幹部が葬られた。
それでもパキスタン軍と革命戦士達の繋りは濃いものであり、そう簡単にアメリカ政府の
言いなりになるわけでもない。現にタリバンはパキスタンを根城にし、あのビンラディンも
潜伏しており、今やパキスタンはテロネットワークの中心地だと言われています。
現政権に国内の過激派を制圧する力や意志も無く、いつクーデターが起きてもおかしく
無い現状である。
アルカイダとタリバンはパキスタン内部の聖域にしっかりと根を降ろし、連絡を密にし、
訓練も強化されていると米情報筋は分析しているそうですが。
アフガンから閉め出されたタリバンの残党は、アフガンのテロ掃討作戦の前線基地である
パキスタンから指令を出し、NATO軍を攻撃したと言われ、ムシャラフ自身もイスラム
過激派から「裏切り者」として命を狙われている。このような状況下において、悲しいかな
アメリカが後押しする民主化を訴えるブット女史の声は爆風に消えてしまった。
ひとつの希望が消えたのか、それとも既に絶望のループなのか。
「インドとその同盟国によって包囲されている」と言うパキスタンとインドの関係正常化を
求めるアメリカは、インドとの経済関係が将来的にパキスタンの民主化にも繋がると
試算するが、その前にパキスタンの軍事政権が変わらない以上、対テロの軍事や情報の
強化をパキスタン軍に与えてテロ掃討の大義名分としたいのだ。しかし、このような
軍事政権が核を保有している事に、世界はもっと注視すべきである。
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by gyou-syun-u | 2007-12-29 21:23 | 世界情勢 | Trackback | Comments(0)
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